2006年7月 3日 (月)

舞台『メタルマクベス』

アップするのが遅くなってしまいましたが、先月末にこのお芝居を観てきました。

脚本が宮藤官九郎さんで、あのシェイクスピアの有名な悲劇『マクベス』をやると聞いたとき、原作を読んでなくても目撃したくなったのです。

タイトルから大体察することが出来るかと思うのですが、メタルと言うのはそう、へヴィメタルでマクベスを演じるんです。しかもミュージカルで!!

西暦2206年、殺戮と破壊の果て、枯れ果てた森の中を戦いを終え城に帰るランダムスター(内野聖陽)と、親友エクスプローラー(橋本じゅん)。ランダムスターに向けて、

「万歳!マクベス!いずれは王になるお方」

それは3人の魔女の声。

「バンクォー・・・王にはならないが、王を生み出す男」

言葉の意味を図りかねる二人・・・。

魔女達は一枚のCDを差し出した。

「知りたいことはすべてこのCDの中にある。」

それは1980年代に活躍したへヴィメタルバンド「メタルマクベス」のCD。

そこには二人にそっくりな男達が写っていた。

そして、この予言を軸にストーリーが展開されていくのですが、何分脚本がさっきも書いたとおり宮藤官九郎さんなので、登場人物達がかなりコミカルに描かれています。主役のランダムスターは、戦場ではものすごく強い男ですが、感情がすぐ顔に出て、変な顔になってしまうと言う癖があり、家に帰るとものすごく妻にあまえるという、情けない男として登場します。

そして物語前半ではランダムスターは国王に対して誠実で、忠誠をちかっていますが、先ほどの予言とCDのせいで、自分が国王になると思い込むようになります。さらに、妻(松たか子)に

「国王を殺して、あなたが王になるのよ!」とけしかけられたため、更に思いは強くなり、

ついには計画を実行してしまいます。そして、国王を殺したのを、Jr(森山未来)のせいにし、そして国王へとのし上がりますが、その後見えないはずの国王の亡霊がみえたり、徐々に精神を病んでいきます。それでも、自分が国王になるという思いが強く、親友を殺し、仲間の家族である奥さんや子供を殺していく・・・。自分に勝る男は居ない、空が裂けて、鯨が陸に上がらない限りは・・・。

ストーリー自体はこれだけ書くと、とても重いものです。それはやっぱり古典劇だなと思うのですが、そこは脚本の妙で、どこかに笑いが入るように、それぞれが人間らしく、今の時代にもいるような、ちょっと滑稽で、可愛らしさもあるように描かれています。

今回のキャストで、主演の内野聖陽さんがかっこよかったのはもちろんなんですが、私が

注目していたのは、国王のJr役の森山未来くん。シリアスな演技ももちろん上手なんですが、なんといっても若いからと言うこともあるけれど、とにかく動く!!特に演歌を歌いながらのタップダンス(笑)。感心しながらも爆笑してしまいました。

あとは松たか子さんが「あほんだら!!」と叫ぶシーンが印象的でした・・・。(笑)(この二人はテレビよりも舞台の方が本領が発揮される感じです。)

全体の印象は若干コメディタッチではあるものの、物語が佳境へ入るにつれて重厚さが増していく不思議な作品でした。そして音楽がへヴィメタルだったために、滑稽さや残酷さの両方が表現できていました。

全身全霊をかけた役者さんたちのお芝居に感服しつつ、3階席でも観られた私は相当ラッキーだと思いました。残念ながら東京公演は終了しているし、大阪公演も今月4日まで。

再演された折には是非もう一度観てみたいとおもえる、とてつもない作品でした。

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